

あなたの会社にとっての正しい「バリュー」を見極めるたった1つの方法
みなさん
こんにちは!
EOSインプリメンタ―のカールです。
今回は、会社にとって欠かせない「バリュー」の見極め方について解説します。
日本の中小企業では、このバリューに対する理解がほとんどありません。
間違って理解していたり、掲げていても機能していなかったりするケースが大半です。
そこで、バリューについてきちんと理解し、御社のさらなる発展に役立てていきましょう!
御社では「ミッション・ビジョン・バリュー」が
機能していますか?
会社が成長してくると、従業員も増え、やがて20名ほどの規模にまで拡大してきます。
すると経営者は、これまでのように社内を統率するのが難しいと感じはじめます。
全社員が一丸とならなければ、会社はバラバラになってしまいます。
従業員だけでなく、部署が増えたり、組織が複雑になったりしている場合はなおさらです。
そこで経営者は、「何のために仕事をしているのか?」を明確にしたいと考えます。
それが会社のミッション・ビジョン・バリューですね。
ミッション・ビジョン・バリューを決めておけば、会社の経営が楽になるのは確かです。
方針が明確になることで、全社員が協力的になってくれるためです。
そうしたい気持ちはとてもよくわかります。
これまでのように、「とにかく会社を大きくする!」「収入・利益を増やす!」というだけでは限界があるからこそ、そのように考えるわけですね。
しかし、全社員が共有でき、かつ伝わりやすいミッション・ビジョン・バリューを策定しなければ、会社全体を統率することはできません。
外部のコンサルタントに依頼したり、他の経営者からアドバイスを受けたり、インターネットや書籍を読んで参考にしたりして策定するケースもあるでしょう。
みんなで議論しながらミッション・ビジョン・バリューを定めるのはよくあるパターンです。
しかし、それではなかなかうまくいかないのです。
ミッション・ビジョン・バリューを用意することで、会社が一つになりましたか?会社が大きく変わりましたか?
むしろ、どう扱っていいのか分からないまま、うまく使えていないと感じている人が多いのではないでしょうか。
いったい、どうすればいいのか?
大丈夫!
本稿では、カールコーチがお手伝いしますので、あなたの会社にぴったりのミッション・ビジョン・バリューを一緒に考えていきましょう。
今回の記事では「バリュー」について、次回は「ミッション」「ビジョン」について解説していきます。
バリューとは「共有するべき価値観」である
バリューのことを、EOSでは「コア・バリュー」と呼んでいます。
その意味は「共有するべき価値観」です。
これは単に、オーナー・経営者が大切にしている理念やコンセプトではなく、会社で働く全社員が共有すべき価値観ということです。
みんなで共有できていなければ、そのコア・バリューは正しく機能しません。
全社員が共有するためには、伝えやすさにこだわる必要があります。
コア・バリューが伝えやすく、かつ理解しやすいものであってこそ、全社員が無理なく共有できるのであり、それこそがその会社のコア・バリューとなります。
コア・バリューを設定したのにもかかわらず、何も変わらないどころか、誰も気にしていないようではダメなのです。
例えば、「バリュー」と聞いたときに、あなたは何をイメージしますか?
よくあるのが「価値」や「提供価値」などですが、そこには思い込みがあります。
もしバリューが単なる「価値」なのであれば、それを明確にしたとしても、全従業員が納得して受け入れつつ、普段の仕事に活かせないでしょう。
もっと具体的に、かつ活用できる内容として定義しなければなりません。
だからバリューとは、従業員や経営者も含めて、全社員で共有すべき価値観のことだと理解する必要があるのです。
EOSでは、バリュー(コア・バリュー)を非常に重視しており、仕事をする前に、その人の心構えや態度がそのバリューに合致しているかどうかを必ず確認します。「コア」という言葉を使って、「心が同じである」と指します。
当然、コア・バリューは会社によって異なります。
会計士事務所におけるコア・バリューは「正確性」かもしれません。
ソフトを開発するベンチャー企業であれば、「どれほど遅くまで働いていたとしても、お客様が喜ぶソフトを完成させる」ことかもしれません。
自分の会社の従業員を見てみてください。
みんなで一つの価値観を共有しているでしょうか?
もしかしたら、バラバラなのではないでしょうか?
コア・バリューを適当に作ってしまうと、価値観を共有できないままとなり、会社は一つにまとまりません。
だからこそ、コア・バリューをきちんと設定することが大事なのです。
コア・バリューは採用にも人材の評価にも活用すべき!

仕事の中でコア・バリューを直接体現しているかどうかは、職種によって異なります。
従業員ごとに、それぞれ仕事の中身は異なります。
セールスの人とバックオフィスの人では、担当する業務が違いますよね。
ただ、会社全体から見た場合、共有すべき価値観はその上のレベルにあるものです。
「セールスに対する熱意を持つ」とか「バックオフィスの業務を正確にこなす」というものではなく、共有すべき価値観は普遍的かつ本質的なものです。
そこを見極めることが大事です。
表面的な仕事だけでは、コア・バリューを体現しているかどうかはわからないのです。
共有するべき価値観をもとに、どのような人材を採用するべきなのかもわかります。
むしろ「このような人間が欲しい」というのが、コア・バリューであるとも言えるでしょう。
EOSでは、コア・バリューを体現できる人こそ会社にとって「正しい人」であり、そのための判断基準にもなると考えます。
セールスパーソン、マーケティングマネージャー、現場の職人、バックオフィスなど、どの職種においても、高いレベルでコア・バリューを体現していなければなりません。
コア・バリューに合わない人と仕事をすると、方向性が違うため、うまくいかないのです。
一例をあげてみましょう。
「お客様の話を最後まで丁寧に聞いてあげる」ことがコア・バリューの会社であれば、お客様との時間を大切にしなければなりません。
一方で、「効率よく取引をすることが最善だ」「一日のノルマは必ず達成しなければならない」と考える人がいたら、価値観がずれていますよね。コア・バリューが合いません。
そのような人がいると、会社の評判は崩れてしまいます。
全員が同じような考え方していないから、お客様に信用されないのです。
人材を最適化していくためにも、「私たちのコア・バリューは何か」「どのような普遍的な価値観を共有すべきか」を話し合い、そのための物差しを作らなければなりません。
どのような価値観を共有するべきかを見極めれば、採用するべき人材も見えてきます。
それが結局、社員の評価にもつながるのです。
どうしてもコア・バリューを理解できない人は、会社に合わず、採用できません。
そのような人が社内にいる場合は、会社を離れてもらう決断をすることも必要なのです。
コア・バリューを発見するための3つのアクション

上記の内容を踏まえて、コア・バリューに関する具体的なアクションを紹介します。
実は、コア・バリューはゼロから作る必要はありません。そうです!
御社の中にあるコア・バリューを、発見すればいいのです。
「自分たちには、このようなコア・バリューがいいかな」と考えるのではありません。
すでに御社の中にコア・バリューが生きています。
ぜひ、自分たちのコア・バリューを見つけてください。
そのために、以下のアクションを実践してみてください。
<レベル1>
会社の中で一番頼りになり、かつ素晴らしい仕事をしてくれる人を3〜4人ほど選んでください。
経営者自身ではなく、それ以外の人を選ぶようにしましょう。
選んだら、その人の特徴を説明する形容詞を選んでください。
例えば「粘り強い」「親切」「人の話を最後まで聞く」「お客様に寄り添う」などです。
その中に同じようなもの、共有されているものがあるとすれば、それが御社にとってのコア・バリューかもしれません。
コア・バリューの数は3個から7個まででいいでしょう。分かりやすく、管理しやすくするために、少ない方がいいでしょう。
<レベル2>
次に、その形容詞にあてはまる具体的な行動を考えてください。
それはどのような場面で見られるでしょうか?
私たちは人心を完璧に読むことはできません。
しかし、その人の価値観は行動で現れているはずです。
それをチェックしてください。
例えば、私のお客様に動物病院を経営している会社があります。
その会社に所属しているメンバーは優しい人ばかりで、ワンちゃんや猫ちゃんのことを思いやり、患者さんに寄り添うことを重要な価値観として共有しています。
そのような会社では、「効率だけを考えている人」は合いませんね。
具体的な行動の例を考えると、会社のコア・バリューが見つけやすくなります。
<レベル3>
コア・バリューが決まったら、経営者が定期的に社員に説明する・強調するコア・バリューのスピーチを行なってください。これでコア・バリューがさらに活用するようになります。
それぞれのコア・バリューに小さいストーリーを作ったり、行動の例を説明したりすると、会社全員の基本知識になります。お互いに同じ話を繰り返して、自然にとなりの人の生きたコア・バリューを見えるようになります。誇りに思う社内文化が生まれます。
四半期一度のペースでぜひ全員にコア・バリューのスピーチを楽しく発表してください。
コア・バリューを使って最適な人材を見つけよう!
コア・バリューは、会社にとって非常に頼りになります。
普遍的な、ずっと使える強力な武器になるのです。
採用にも使えますし、社員に注意をするときにも「うちはこういうコア・バリューを掲げているのですが、理解できていますか?」という話ができます。
コア・バリューという物差しがあることによって、共有すべき価値観を確かめながら、会社を一つにまとめることができるのです。
繰り返しになりますが、私たちは人間の心を完璧には読めません。
だからこそ、採用の場面では、必ずコア・バリューに立ち返る必要があります。
私はクライアントに対して、何度もそのことを伝えています。
絶対に、絶対に、絶対に、徹底してコア・バリューに立ち返ることが大事なのです。
コア・バリューが徹底されていると、マネジメント(管理)がしやすくなります。
価値観が同じなので、社員を叱る必要がなくなり、褒めればいいだけです。
採用基準には、「若さで選ぶ」「元気かどうかで選ぶ」「面白い面接をしてくれるどうかで選ぶ」などいろいろありますが、ぜひその人の行動に現れる価値観を見るようにしてください。
例えば、こんな質問をするのはどうでしょうか。
「あなたはある仕事を担当していて、締め切りが迫っています。お客様に対してどのように伝えますか?」
得られた回答に、その人の価値観が出てくると思います。
これを採用面接に応用すると、次の3つのステップで組み立てることが可能です。
<ステップ1>
最初の面接では、コア・バリューについてだけ話します。
それ以外は一切、話しません。
価値観が合うかどうかを、この段階で確認します。
<ステップ2>
次の段階では、「何ができるのか?」を聞きます。
マーケティングであれば、具体的な課題を出して「あなたならどういうふうに解決しますか?」「マーケティング計画を立ててください」とお願いします。
この課題によって、実務能力があるかどうかをチェックできます。
<ステップ3>
最終面接は、社長との面接です。
社長はあらためてコア・バリューについて説明し、一つ一つ、理解しているかどうかを聞きます。同時に、具体的な行動についても説明します。
この段階でのフックとしては、「会社に入りたいのなら、コア・バリューを理解していただき、それを強化していくことに協力していただきます。それができないとあなたをクビにすることもありますが、よろしいですか?」と言うわけです。「ぜひ!」と答えてくれる方を雇いましょう。
いかがでしょうか。
これらのステップによって、御社のコア・バリューにマッチした最適な人材を採用することができるでしょう。
もちろん、社員の評価にも応用できます。
今回は「バリュー」についてお話しました。
次回の記事では、「ミッション」と「ビジョン」の作り方について解説します。
バリューとともに理解することで、あなたの会社をより成長させることができるでしょう。
それでは、次の記事でお会いしましょう!
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